インクカートリッジの種類とその特長について

自宅のプリンターのインクが切れた時や、家電製品店に寄った際についでに買い物をする時にどのインクカートリッジにすれば良いか迷う方は多いことでしょう。プリンター本体と同じメーカーであれば何でも良いのか、他の会社が出している製品は安いけれど大丈夫なのかと気になるところです。ここでは自身の要望に見合ったインクカートリッジを手早く購入できるように、その種類や特長および注意事項などのポイントについて解説していきます。

インクカートリッジは主に純正と非純正に分類される

インクカートリッジ

 基本的にはインクカートリッジは、現在使用しているプリンターや複合機を選ぶのが一般的です。店頭やインターネットの通販サイトでの探し方は簡単で、プリンターの型番さえ分かればすぐに見つけられます。お店であればプリンターに対応する製品の一覧表から探せば良いですし、インターネットでは商品ページもしくは企業のサイトにアクセスすれば判明するでしょう。一方でインクカートリッジはいくつも種類があること、各々製品によって特徴が違うということをよく覚えておいてください。目的や用途にあったものを選んで、使うことが重要になってきます。大まかに分けると純正インクと汎用インク、リサイクルインクといった3種類が存在します。純正は文字通りプリンターのメーカーが作っていたり提供していたりするもので、正規品とも呼ばれたりするカテゴリーです。汎用インクとリサイクルインクに関してはメーカーが手掛けていない、社外品に該当します。メーカーの保証、価格面で異なってくるという点をしっかりと把握しておきましょう。 

安定した品質をキープする純正インク

ここからは、細かくそれぞれの種類のインクカートリッジの特長を見ていきます。プリンターや複合機などを開発・販売しているメーカーが作っている新品のものが純正のインクカートリッジです。そのメーカーが印刷機本体の性能・特徴に応じて製造しており、メーカーの推奨品となっています。当然ながらプリンターの規格と適合するため、インクの相性はバッチリです。高画質でムラがない仕上がりとなり、日焼け・劣化がしにくいため長期保存にも適しています。光に強いだけでなく、水分・湿気に強いのも特徴です。仕上がりの美しさだけでなく、何らかのトラブルが生じた際もメーカーの保証期間内であれば無償修理が可能となっています。家庭用プリンターのメーカーは、大抵は純正のインクも製造・販売しています。デメリットとしては純正であるがゆえに、費用が他の種類よりもかさむ点です。印刷して半日ほどですぐに破棄されるような資料であり、年賀状など大量に印刷したい時には不向きである点は要注意です。

他のメーカーが作った汎用インク

プリンター本体を作ったメーカー以外の会社が手掛ける、いわゆる社外品であるのが汎用インクです。メーカー品と同様に新品であり、互換インクやサードパーティー製などと表現されることもあります。純正品とは構造やデザインがわずかに異なるものの、プリンター本体に対応していて使用可能です。価格がリーズナブルであること、近年はクオリティがアップしていて純正品とほとんど変わらない出来になっているのが大きな特徴です。多少の色味の違いはありますが、仕上がりの見た目は大きな差異がなくコストカットに大きく貢献してくれます。デメリットとしては印刷機本体によって、インクが出なかったりカートリッジそのものを認識しなかったりといったように、相性に関するトラブルが発生する可能性がある点です。こういったトラブルが発生した際に、社外品を使っていた場合はメーカーの保証の対象外となる点にも注意が必要です。またプリンターによっては、汎用インクが作られていない場合もあります。 

地球にやさしいリサイクルインク

リサイクルインクは文字通り再利用品であり、回収されたカートリッジを用いてインクを補充した状態で販売されている製品です。家電量販店やパソコンショップなど、店頭に設置されている回収BOXにて回収したカートリッジを再利用するという訳です。純正および汎用インクは新品でしたが、こちらは中古品となります。メーカー品の特徴を踏襲しつつ、本体ごとに異なる成分や配合の割合を調整したものが封入されます。単独で使うのではなく、純正品と混在させてプリンターで一度使用してから販売されることが大半です。再利用品であるため、他の種類よりも価格がリーズナブルであるのは魅力的です。エコであること、売上の一部を環境保護の取り組みに寄付しているメーカーも多いことから、地球にやさしい製品であると言えるでしょう。注意点としては、カートリッジがメーカー品ではあるものの中身は社外品である点です。限りなく純正に近い色味に調整されてはいるものの、厳密に比較すると色合い・仕上がりは異なってしまいます。 

環境にエコな製品である詰め替えタイプ

リサイクルインクと同様に環境にやさしい製品の1つとして挙げられるのが、詰め替えタイプのインクです。洗剤・シャンプーやコーヒーなどと同様に、中身を使い切ったインクカートリッジに移すことができます。純正品であるインクカートリッジに、プリンターのメーカー以外が作った詰め替えタイプのインクを詰めるという仕組みです。なお汎用・リサイクルインクには不可能である点には、十分注意してください。カートリッジの中が空になっても、複数回にわたって使用できるため経済的にも環境的にもエコな製品です。ボトル容器にインクが封入されていて、カートリッジに補充する作業が必要となります。その際に専用の工具を用いて穴を開ける必要があるなど、作業の手間がかかるのがデメリットです。入れ替える際にこぼさないように注意しなければいけない点、インク残量がうまく表示されなくなる可能性がある点にも留意してください。次に購入する時に迷うことがないように、パッケージから型番のタグを切り取れるように工夫されている製品もあります。 

純正品以外を選ぶときのポイント

本体への負荷や印刷の仕上がりを考えれば純正品がベストですが、出来にこだわらなくて良くて大量に印刷する機会が多いなら汎用インクや再利用品を使いたくなることでしょう。純正インク以外を選ぶ際のポイントとして挙げられるのは、プリンターのメーカーと型番をしっかり控えておいて確認することです。社外品であるインクが、所有プリンターに対応しているのかどうかを照合するのは何よりの基本です。またその際に、カートリッジの形状が同じであることを確認してください。よく似ているけれど、同じ形でなければトラブルの原因になりうるからです。他のメーカー製のものを購入する際、保証内容もきちんとチェックしましょう。製品によっては購入したインクが正常に作動しなかった場合、返品・交換してもらえるサービスが付随しています。不安な方は、保証内容が充実していることも確認項目に入れておいて損はありません。この他にレビュー・通販サイトにて、実際に購入した人の口コミをチェックするのも効果的です。

まとめ

仕上がりが美しく、劣化しにくい純正インクは写真やデザイン印刷に最適です。その分価格が高くなるため、安く仕上げたいのであれば汎用インクやリサイクル品を検討すると良いでしょう。画質や色味の美麗さがあまり影響しない、書類や配布プリントを刷る機会が多いのであればこちらがおすすめです。社外品はリーズナブルであるものの、メーカー保証に対応していないことなどを考慮しながら目的に応じたインクカートリッジを選ぶのが大切です。